ついタイトルに惹かれて手にとってしまった。難しいことをわかりやすく説明してくれているとは思うが、専門用語が多いのでとっつきにくいかも知れない。
結論から言うと、まだわかっていない。
現状の仮説は、老化は止めることはできないとしている。なぜなら老化は、ガンや機能低下を引き起こす原因から細胞を守ることだからである。
我々の身体は細胞からできており、その細胞が分裂することで細胞の寿命以上に長く生きることができる。細胞の分裂回数には限界があり、それが人の寿命だ。ところが、無限に分裂を繰り返すことができる細胞がある。それがガン細胞だ。放置しておくと全身に増殖し、臓器が正常に機能しなくなり、やがて死んでしまう。そのガン細胞をやっつけるために、細胞の寿命が遺伝子によって制御されて細胞が死に、身体の老化が進む。細胞の老化や死と、目に見える老化とを直接結びつけることは難しいし、老化の解明にはまだまだ研究が必要だが、感覚的には外見の老化につながることも納得できる。
また、アンチエイジング薬の研究も進んでいるようだが、それは寿命を延ばすものではなく、寝たきりの時間を減らし、健康に生活できる時間を延ばすものである。
不老不死は難しい。
一瞬一瞬を大切に、与えられた寿命と天命を全うするしかないだろう。
老化はなぜ進むのか 近藤祥司著
ブルーバックス
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