2020年4月25日土曜日

報告、相談すべき問題を見極める

海外派遣において、職場にいる日本人(派遣員)の数は限りなく少ない。自分の工場の場合、日本人技術者は自分のみ。本社への報告義務があるとは言え、日々発生する問題について、全てを本社に報告していては仕事が終わらない、というかただの連絡係になってしまい、現場を任されている意味が無い。一方、シリアスな問題はすぐに報告する義務がある。報告を怠ると日々積み重ねている信頼が損なわれる。ので、バランスを考える必要がある(日本で働いていた時は基本的に全ての問題を朝ミーティングで課長に報告していた)。
自分の場合、問題が生じたときは発生原因、問題の大きさ、最悪のケース、是正処置が打てるかどうかを意識するようにしている。問題をコントロール出来るかどうかは、是正処置が打てるかどうかに依る。もし自分のコントロール出来る範囲を超えている場合、あるいは問題が大きい場合、すぐに本社、現法の上長(技術系では無い)に報告するようにしている。逆にコントロールできる問題、小さい問題については、定期報告で結果を伝えるのみとしている。この辺は感覚だと思うが、新人であればあるほど報告量が多くなるべきであろう。自分が本社側だとしてもそれを望むであろう。
技術的に難しい問題は本社からサポートを受けられるよう相談するようにしている。相談しやすいかどうかは日頃のコミュニケーションに依るところが大きい。その方が日本から出張してきた際は全力でアテンドし、自分の味方になってもらうよう努めるのが吉だと思う。

連勤と体調管理、早く帰る習慣

怒涛の連勤が終了。24時間365日稼働する化学工場では、数年に一度、1か月程工場を停止して24時間体制でメンテナンスを行う仕組みになっている。自分が働く工場でも2週間ほど稼働を停止してメンテナンスを行った。日本であれば自分の代理がいるため、交代で休むことが出来るが、海外だと技術系の日本人は自分一人であるため、しばらくの間、休みなしで働くことになった。
海外では、特に東南アジアでは免疫が下がるとすぐに腹を下したり、感染症に掛かり、熱が出る。徹夜なんてしようものなら一発でアウト。時節柄コロナも流行っているので、いかに体調を維持しつつ、働き続けることかが一つのポイントだった。
日本で働いていたとき、自分は担当者であり、(段取りと会社の仕組みが悪く)仕事量が膨大であったため、このように工場を止めてメンテナンスする際は毎晩午前様が当たり前だった。
ベトナムでこんな働き方をしていては、身体が絶対に持たない。
今はマネジメントであるため、担当者としての仕事は無い。数ある問題をなるべく早い時間で吸い上げ、すぐに明確に指示し、フォローするか、いかに無駄な仕事をせずすぐに帰るかに尽きた。自分の知識だけでは解決できない問題もあったため、なるべく早く工事業者、日本と議論するよう心掛けた。結果、平均で18時30分、遅くとも20時30分には退社することが出来た。1日だけだったが問題が無さそうな日は午後出社とした。体調不良も無し。普段でも20時退社であるため、自分としては上出来だった。
これを機会にさっさと早く帰る癖、仕事のやり方を習得したいと思う。

2020年4月4日土曜日

絶望の林業

日本に一人しかいない林業ジャーナリストの田中淳夫さんが出演されているYoutubeを観た。小一時間かけて先生が林業に興味を持ったきっかけ、林業ジャーナリストになった理由、いかに日本の林業がダメか、将来どうすればよいか、紹介していた。

祖父が自営で林業をやっていたこともあり、自分にとっては多少身近であったが、こんなにも大変でイケてない産業だとは。少し例を挙げると、

・危険
 全産業の12倍の事故率
 教習所でヘルメットを被るよう習っても、林業組合や会社では誰も被らないので新人も被ることが出来ない
 祖父も木が倒れてきて肋骨を折ったこともあった

・儲からない
 総じて給料が安く、家族を養うことが出来ない。寿退社が多い(男性です)

・休みが無い
 休みは雨の日だけ。日銭をもらうので、休んだら収入は無し。
 祖父もそうであった。

(こうしてみると建設現場で働く溶接士や重機作業者も似たような状況かも知れない。)

もはや産業として成り立っていない。。。
どのような産業にすべきかビジョンが無いのではなかろうか。
短期的な利益を優先して山や斜面を丸々伐採し、切った分だけ(経費の7割の)補助金を得ている。本来は長期的な目線に立って山の生涯を考えながら伐採しないといけない。
木のオーナー、伐採者、加工業者がバラバラで、この木が誰にどのように使われているかもわからない。マーケティングが出来ていない。

人工林とはいえ、日本には木が多く、自然豊かと誇らしげに思っていたが、裏にはいろいろな問題があり、しかも手が打たれていない。東南アジア、アフリカでは伐採が続き、グレーな木材が日本に流れているという惨状。

ではどうすればよいか。
やはり長期的なビジョンを持ち、どのような産業にしていきたいかトップが示すこと。
そして木材に付加価値を付け、産業として儲かるようにしていくこと。例えばスイスの木製の時計のように。産業育成のために輸入を減らすことも考えないといけないかもしれない。国民はひたすら安いの物を買うのではなく、高くても国産の物を買うとか。そうして自分達で自国の産業を育てていこうとみんなで共通意識を持つ教育をするとか。

多くの分野の第一線で活躍されている方の話を聞いて、色々なことに興味を持つ、世の中を知ることは大人の教養として大事だろう。
しばらく追っていこうと思う。

2020年4月2日木曜日

ショーシャンクの空に。

今年のプライベートの目標の一つに、教養のため、名作映画を20本観ることとしている。
1作目は「ショーシャンクの空に。」。学生の頃に観たが記憶があいまいになっており、もう一度見ることとした。
若い銀行副頭取が不倫をした妻殺しの冤罪で無期懲役となった。不条理と暴力が横行する何の未来も無い刑務所の中で、それでも希望を忘れなかった。5年もの間、政府に陳情手紙を毎日送り続けて図書予算の獲得。刑務所での図書館の設置。図書館で高校卒業資格を取れるように教育、日本で言う大検で合格者を出す。30年の年月を掛けてロックピックで壁を掘り、脱走。先に放免となった友人が自殺しそうになったところを助けて、中南米で人生を再出発する。

感想
内に光る希望は誰も奪うことが出来ない。これは真実だと思う。周りからの評価に流されず、自分を持って生きていきたい。